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院長コラム

新型コロナウイルス感染症後遺症外来

COVID-19(新型コロナ)感染は収束の兆しはみられず、逆に都市部では急拡大が起こり、東京では一日の感染者数が2,000名を超えるとようになると推測されています。たくさんの人が亡くなっていますので、急性期では予後改善のため積極的な治療が行われ予後は改善されてきていますが、感染症が改善し退院した患者さんに後遺症が残ることが問題となってきています。COVID-19感染症が治癒しても引き続く後遺症で苦しんでいる方がたくさんいます。

新型コロナウイルス感染症の後遺症には倦怠感、呼吸苦、味覚・嗅覚障害が主な症状で20才代以降の全世代で高頻度に認められ月単位(2~4か月後)で遷延することが明らかになってきています。回復後に出現する遅発性後遺症はウイルス後疲労症候群と呼ばれ脱毛、記憶障害、睡眠障害、集中力低下などがみられます。現段階では後遺症の原因は不明で治療法は確立されていません。コロナ後遺症の病態は明確になっていませんが、英国の国立衛生研究所がコロナ後遺症をLong COVIDと呼び、次の病態が複雑にからみあったものと定義付けています。

  1. 急性期症状の遷延:急性期症状の遷延するタイプである「持続型」の後遺症で最も多く認められたのは呼吸器症状で、嗅覚障害や味覚障害はCOVID-19に特異的な症状とされています。
  2. ウイルス後疲労症候群:これは回復期に出現する症状で、発症後110日後に回復者をみると約3割に脱毛、記憶障害、睡眠障害、集中力低下などの症状がみられたとの報告がみられます。感染による肉体的精神的ストレスによって起きている可能性が指摘されています。
  3. 集中治療後症候群:集中治療室での治療後に生じる身体障害・認知機能障害・精神障害をいいます。高齢者が多く、孤独な闘病を余儀なくされたことなどから若年者に比し重い症状が現れた可能性があります。
  4. 心臓や脳への影響:肺だけでなく心臓や脳にも感染し深刻な障害を起こす可能性があります。

現段階では特にコロナ後遺症に対する確立した治療法はなく対症療法が中心となっています。コロナ感染症は人類が初めて経験する感染症ですので患者さんにとっては不安になると思います。

このような患者さんのため、博愛記念病院に新型コロナ感染症後遺症外来を開設しました。
もちろん治療法は確立されていませんので治療することはできませんが、コロナ後遺症に関する情報を提供することや気持ちの問題と片付けるのではなく患者さんの声を傾聴することで患者さんの不安を取り除ければと考えています。

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