昨年は新型コロナ感染症の拡大で医療のことはもちろんのこと社会全般で大きな影響をうけました。年末から感染症患者が激減し終息の兆しがあり期待を持って新しい年を迎えました。しかし従来のデルタ株にかわり新しい変異株であるオミクロン株が広まり、あっという間に患者数が激増し地域によっては医療崩壊も起ころうとしております。
デルタ株に比べオミクロン株では重症の方が少ないとされていますが、油断はできません。また、従来行っていた重症化を防ぐといわれている抗体医薬もオミクロン株に対しては無力と言われています。重症にならなくても中等症でも呼吸困難も生じ想像以上に厳しい状態です。
政府は基本的な対策として3回目のワクチン接種をすすめているようです。博愛記念病院も行政の方針に従いワクチン接種に積極的に協力していくつもりです。コロナ感染症は重症が少ないといわれても合併症や後遺症は風邪の比ではありません。
合併症は呼吸不全にとどまらず、発熱など全身に炎症症状が現れ、心臓から腎臓、肝臓などさまざまな臓器で次々発生することも多いです。軽症や無症状だった人でさえ、後遺症(ロング・コビッド)を生じるリスクもある。このロング・コビッドは初めて経験する病態であり予後などが推測できません。
当院の後遺症外来では、後遺症で悩まれている患者さんがたくさんおられますが、経過が不明のため不安が大きいようです。経口薬も承認され少し光が見えてきたとはいえ、新型コロナは現状まだ「全力で回避したい病気」に変わりありません。マスク、手洗いや3蜜など「今できること、すべきこと」を確実に実行し、感染予防対策をしっかり行っていくことが重要と考えています。
一日も早くコロナパンデミックが終息し以前の日常に戻ることを祈念しております。
本年も病院運営にご支援、ご協力の程よろしくお願いします。