COVID-19(コロナ)ウイルス感染が全国に蔓延し終息の目途も立っていない状況です。コロナ感染の広がりを抑えるにはクラスターの発生を回避することが最も重要です。高齢者が利用している施設では、クラスターの発生には特に注意しなければなりません。
博愛記念病院も全施設の職員が一丸となって病院・施設の感染予防対策に取り組んでおります。コロナ感染症は新しい感染症のため今後の予測がつきません。毎日感染数・死者数の報告を見るたび、皆さん不安になっていると思いますが、疾患について十分理解できているとはいえません。ニュースで毎日のように報道され、専門の医師が説明してくれますが、内容が複雑で医学用語が難しいこともあり聴いてもよくわからないのが現状と思います。
そこで、デイケアの利用者さん、家族の方を対象にコロナ感染症についての医療情報を提供する説明会を開催し以下について簡単に説明しました。
①コロナウイルス感染症に罹患しないように、3密がニュースでよく言われていますが、その理由 ②コロナウイルス感染であるSARSとの違い、また、インフルエンザとの相違点 ③感染した際の多岐にわたる症状や、感染後治癒しても症状が持続すること ④高齢者が感染すれば予後が悪いこと、⑤ワクチンについてその種類について詳しく話しました。使用されるワクチンは今回mRNAワクチンですが、ワクチンの作用機序や効果、ワクチン投与による副作用などを話し、ワクチンが感染予防に重要であることを話しました。熱心にきいていただけ質問もいろいろありました。
このような少人数の会では演者は内容が伝わっているかどうかもわかりますし、参加者も質問がしやすいので開催する意義は大きいと思います。コロナ感染に限らず疾患に関する医療情報をわかりやすく近隣の住民の方に提供することは地域に存在する医療機関が取り組むべき課題と考えます。
今回の感染症も現在大都市で多くの問題がでてきているようですが、今後遅れて地方に拡大することも危惧されます。この会に参加したことで疾患の理解を深め感染対策に繋がれば幸いです。このような会を介して近隣の皆さんとの間に顔の見える関係が構築でき相談しやすい環境がつくられることを期待しております。
いずれにしてもすべての対象者にワクチンが実施され、感染症も終息して以前の日常の生活に戻れる日が来るのを願っています。