博愛デイケアでは、
- 病気への理解を深めるための講義(症状、早期発見、対応、予防など)
- 生活の質の維持・向上を目指して自宅で可能な運動(体操やストレッチ)
をご紹介させていただいております。
2月のテーマは『認知症について』です。
認知症とは
今まで出来ていた日常生活や社会生活が、脳の障害によって持続的に低下し、支障をきたすようになった状態を指します。記憶力や判断力の低下に加え、脳の画像によって診断されるもので、単なるもの忘れとは異なります。
認知症の危険因子
- 中年期:高血圧、脂質異常、糖尿病
- 高齢期:うつ傾向、頭部外傷、不活動、対人向流の減少
代表的な認知症の種類
- アルツハイマー型認知症(50%)
- 脳血管性認知症(20%)
- レビー小体型認知症(20%)
- 前頭側頭型認知症
セルフチェック!
自分でできる認知症の気づきのチェックリスト
- 財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなることがありますか。
- 5分前に聞いた話を思い出せないことがありますか。
- 周りの人から「いつも同じことを聞く」などのもの忘れがあると言われますか。
- 今日が何月何日かわからないときがありますか。
- 言おうとしている言葉が、すぐに出てこないことがありますか。
- 貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いは一人でできますか。
- 一人で買い物にいけますか。
- バスや電車、自家用車などを使って一人で外出できますか。
- 自分で掃除機やほうきを使って掃除できますか。
- 電話番号を調べて、電話をかけることができますか。
※よくあてはまるものが5つ以上あると認知機能や社会生活に支障が出ている可能性があります。
日々のチェックに自主訓練表 をご利用ください。
認知症予防の方法
- 運動
- 食事
アルツハイマー病の原因となるアミロイドβー蛋白の蓄積を減らすことや短期記憶の容量が増加するなど、適度な有酸素運動や筋力トレーニングが認知症の予防に効果的と言われています。
運動の強度
負荷が強すぎる運動はストレスとなり、逆効果となることがあります。
運動の頻度
週3回以上の運動習慣を持っていた高齢者は、認知症になるリスクが低いことが分かっています。
心臓病や動脈硬化症を予防するような食事パターンは、脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症の予防に有効と言われています。
- 炭水化物を主とする。
高カロリー食や低蛋白食および低脂肪食は認知症のリスクを高める傾向にある。 - 個々の栄養素では確定的な結果は得られていない。
- 適度の飲酒が認知症の予防的効果があるという報告がある。
- 「適度な飲酒量」には個人差があるので注意が必要である。
ご家族や介助者が注意すること
基本姿勢は3つの「ない」
- 驚かせない
- 急がせない
- 自尊心を傷つけない
具体的な対応の7つのポイント
- まずは見守る
- 余裕を持って対応する
- 声をかける時は1人で
- 後ろから声をかけない
- 相手に目線を合わせて優しい口調で
- おだやかに、はっきりした話し方で
- 相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する
質問コーナー
Q:物忘れは大丈夫ですか?
A:認知症は脳の障害によって持続的に低下し、支障をきたすようになった状態を指します。物忘れは一時的なものでしたら、健忘症であり認知症ではありません。