梅雨時から9月頃までは湿度や気温が高く、細菌がもたらす食中毒が多く発生します。
細菌による食中毒の代表格は、「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌(O157など)」によるものです。
食中毒を招く細菌が増殖しても、食べ物の見た目や味は変わらず、匂いもしません。そのため、食事の準備をするときには、細菌を「つけない」「増やさない」、加熱等で「やっつける」を心がけ、食中毒を防ぎましょう。
細菌をつけない
- しっかり手を洗う
(調理を始める前、生肉・魚・卵などを取り扱う前後、トイレに行った後) - 調理器具を使い分ける
(包丁やまな板は、肉魚用・野菜や加熱済み食品用など専用のものを用意しましょう)
難しい場合は、使用するごとに洗剤でよく洗いましょう。 - 食品保管の際は、密閉容器に入れる・ラップをかけて細菌の付着を防ぐ
細菌を増やさない
- 購入した食品や調理した料理は、できるだけ早く冷蔵庫に入れる
(一度傷んだものは冷凍させても傷んだままです) - 冷蔵庫を過信せず、早めに食べる
(冷蔵庫に入れても細菌はゆっくり増殖します)
細菌をやっつける
- 肉料理は中心部までよく加熱する
中心部を75℃以上で1分以上加熱することが目安です。 - 使用後の調理器具はしっかり洗浄・消毒する
消毒には塩素系漂白剤や熱湯が有効です。
その他
- 常温放置せずすぐ食べる
- 食べるまでに時間が空く場合は冷蔵保存し 食べる前に温める
テイクアウト(持ち帰り)やデリバリーサービス、お惣菜を利用する際も
などの対策を心がけることが大切です。
当院では HACCP(ハサップ)に則り衛生管理をおこなっています
「HACCP」とは、Hazard(危害)、Analysis(分析)、Critical(重要)、Control(管理)、Point(点)の略称で、食の安全性を確保するための衛生管理手法です。
当院での衛生管理の一部をご紹介します☺
- 栄養科・厨房職員の衛生管理
毎朝、健康状態や手の状態(ケガ)について申告します。
作業に入る前や作業中、こまめに手洗い・手袋の交換をおこなっています。 - 調理器具の衛生管理
使い分け
肉類、魚介類、生野菜、加熱済食品用など、家庭での使い分けよりもさらに厳しく調理器具を用途別に区分しています。
洗浄殺菌の徹底
洗浄後、アルコールスプレーや煮沸、塩素系漂白剤、高温殺菌庫などを使用し、細菌を残さないようにしています。 - 温度管理
調理後2時間以内に食べていただけるように計算して調理しています。
温かいおかずは65℃以上を保てる配膳車で保管し、冷たいおかずやデザートは調理後30分以内に20℃以下まで急速冷却するなど、衛生的かつおいしさを保てるよう努めています。
博愛記念病院 栄養科